お菓子は、味だけで選ばれるものではありません。
誰がつくったのか。
どんな時間をかけて生まれたのか。
どんな場面で手渡されるのか。

その背景ごと受け取られて、
はじめて贈り物になります。

BONVIVANT様の仕事では、
ひとつのロゴや単発のパッケージをつくるのではなく、
商品や季節、贈る場面に応じて、
少しずつブランドの輪郭を育てていくような関わり方をしてきました。


最初はジャムのパッケージ。
そこから、チョコレート、季節のジャム、焼き菓子へと広がっていきました。


2012年:ブルーベリージャム
2014年:チョコパッケージ・ブルーベリー農園展開
2018年:季節ジャム(苺・季節のジャム)
2023年:焼き菓子パッケージ(ザラメのマドレーヌ)
2024/2025年:HP・ポスター etc

【思想】

農園から生まれるジャム。
チョコレート菓子のシリーズ。
季節の果実の展開。
贈答として選ばれる焼き菓子。

さらに、写真、ポスター、カリグラフィー、Webへ。

扱うものは変わっても、
そこに通っているのは、
素材の背景やつくり手のこだわりを、
きちんと“受け取れる形”にすることでした。

ここで目指していたのは、
単に商品を飾ることではありません。
お菓子を通して、その店の空気まで届くようにすることです。

その積み重ねが、
ブランドの世界観になっていきました。


【構想】

この案件では、最初からすべてを新しく定義するのではなく、
すでに存在している店の個性やロゴの佇まいを受け取りながら、
その周囲に世界を広げていく必要がありました。

店舗のメインロゴ自体は既存のものを受け取りながら、
その佇まいや意味を崩さずに設計しています。

ブルーベリージャムでは、
実際に農園へ足を運び、
枝や実のかたち、その背景にある想いを視覚化しました。

それは単なる果物のラベルではなく、
育てるところから始まる物語の入口になります。

チョコレートシリーズでは、
「大人のプチ贅沢」という方向性を、
流れるチョコレートの曲線や箱の構造へ置き換えています。

季節ジャムでは、
展開のしやすさと統一感を両立させるために、
個別性と汎用性を共存させました。

贈答用の焼き菓子では、
和と洋のあいだにある正式感や静けさを、
名前、ロゴ、袋の構成、手書き文字へと落とし込んでいます。

ここで行っていたのは、
毎回まったく違うものを作ることではなく、
商品ごとに異なる役割を見極めながら、
それぞれにふさわしい距離感でブランドを更新していくことでした。


世界観の展開

この仕事の特徴は、
パッケージだけで閉じていないところにあります。

ジャムのラベルから始まった表現は、
農園商品の帯やチラシ、ポスターへと広がり、
さらに写真撮影やカリグラフィー、Webにも接続していきました。

店舗のガラス面にまでイラストが使われ、
店頭の空気そのものにも影響しています。

世界観は、印刷物だけで成立しているのではありません。

商品を手に取る瞬間、
棚に並んだときの見え方、
ポスター越しに伝わる季節感、
写真から感じる質感、
画面の中で見る店の印象。

それらすべてが重なって、
「BONVIVANTらしさ」として届いています。

ブランドとは、
一度で完成する記号ではなく、
時間をかけて関係の中で育っていくものでもあります。

この案件は、
そのことを形にしてきた仕事でした。